プログラミングで自由研究──Scratch作品を「研究」に仕上げる方法

2020年度からプログラミング教育が小学校で必修化され、Scratch(スクラッチ)に触れたことのある子は珍しくなくなりました。夏休みに「ゲームを作りたい!」と言い出したら、チャンスです。作品に「試行錯誤の記録」を足すだけで、自由研究に化けます。
「作品」を「研究」にする3点セット
Scratch作品そのものは、審査する先生から見ると中身が見えません。紙に次の3点を添えましょう。
- 設計図:何を作ろうとしたか。最初に描いた絵や計画メモ(きたなくてOK、むしろ味)
- つまずきログ:うまく動かなかった箇所と、どう直したか。「ネコが壁を通り抜けてしまった→『もし端に着いたら』ブロックを追加した」のようにビフォー・アフターで書く
- ふりかえり:いちばん苦労した場所、次に作りたいもの
プログラミングは失敗が前提の活動です。エラーの記録は恥ずかしいものではなく、研究の本体そのもの。この考え方は高学年の探究型で書いた「失敗が存在しなくなる」構造と同じです。
学年別の目安
- 低学年:Scratch Jr やビスケットで「動く絵本」。親が横につく前提で、作った画面と「がんばったところ」を1枚に
- 中学年:Scratchで簡単なゲームやクイズ。「点数を数える」「音を鳴らす」など機能を1つずつ足した記録が研究になります
- 高学年:「じゃんけんに勝つ確率をコンピュータで1000回試す」のようなシミュレーションまで行くと、探究型として頭ひとつ抜けます
親がプログラミングを知らなくても大丈夫
「教えられないから無理」と構える必要はありません。プログラミングの自由研究で親に必要なのは技術指導ではなく、「今どうなってるの?」と聞く役です。子どもが自分の作品を言葉で説明する時間こそが学びの本体で、説明できないところ=理解が曖昧なところが本人にも見えてきます。詰まったときは、親が答えを探すのではなく「同じことをやっている動画やヘルプを一緒に探す」で十分。調べて解決する経験まで含めて研究です。
体験イベントを「最初の一歩」に使う
家で教えられる自信がない場合は、科学館や大学のプログラミング講座に最初の一歩を任せるのが早道です。無料〜低価格の探し方はプログラミング体験の探し方にまとめています。講座で作りかけた作品を夏休みに完成させる、という流れなら、テーマ決めと技術習得を一度に済ませられます。
参考・出典
よくある質問
- ゲームを作っただけで自由研究になりますか?
作品だけでは「工作」止まりです。「何を作ろうとしたか→うまくいかなかったところ→どう直したか」の試行錯誤を記録として添えると研究になります。エラーや失敗こそ書く価値がある部分です。
- パソコンがなくてもできますか?
Scratchはタブレットのブラウザでも動きます。また紙の上で手順を考える「アンプラグド」なテーマ(お手伝いの手順書づくりなど)もプログラミング的思考の研究として成立します。
- 提出はどうすればいいですか?パソコンごと持っていけませんが。
画面のスクリーンショットを印刷して紙にまとめるのが定番です。作品の主要な場面3〜4枚と、プログラムのブロック部分の写真、工夫した点の説明を1枚にまとめれば十分伝わります。